教えてドクター!生理の悩み相談室

気になるけれど、なかなか人には聞けない生理の悩み。

大学生の疑問や不安について、婦人科分野の第一線で活躍されている4名の先生にアドバイスをいただきました!

レディース&ARTクリニック サンタクルス ザ ウメダ 藤田 由布 先生 海外青年協力隊としてニジェールの保健省で3 年間活動、アメリカの財団やJICAなどで国際協力にかかわる仕事に携わり、ヨーロッパと日本の両方で医師免許を取得。「女性が安心してかかれる婦人科を常に意識して女性の健康を守りたい」がモットー。

年齢を重ねて生理痛が重くなるのは異常ですか?

生理が始まって6年くらい経つのですが、初めて生理痛がありました。突然でとてもびっくりし、不安になりました。年齢を重ねるごとに生理の症状などは変わってくるのですか?

初経から5年くらい経つと子宮も成熟してくるので、生理痛がひどくなってくるというのはなにか病気が隠れてい
るかもしれません。子宮内膜症の可能性もありますし、生理痛を放置すると不妊症の原因となったり、卵巣の病
気になったりする場合もあります。「生理痛が重くなったなぁ」と感じたら、婦人科を受診するチャンスです。生理がツライ、こう感じるのは体にも心にもよくありません。早めに婦人科を受診してくださいね。

PMSではピルは処方してもらえませんか?

生理痛自体はそれほどひどくないのですが、PMSがあります。PMSが嫌だというだけでは、ピルは処方してもらえないですか?
そんなことはまったくありません! むしろ、ちゃんと婦人科で相談してほしいです。女性の74%がPMSの何らかの症状をもち、6.5%が社会生活に影響があるほどの強い症状に悩んでいるという報告もあり、生理痛と同じくらいPMSで悩んでいる女性は多いです。低用量ピル(特に第四世代ピル)はPMSに効果があります。症状に応じて治療方法を一緒に考えることができますので、安心して婦人科に来てくださいね。
ジュノ・ヴェスタクリニック八田 八田 真理子 先生 聖マリアンナ医科大学医学部卒業。順天堂大学、千葉大学産婦人科学教室に入局後、松戸市立病院産婦人科に勤務。1998 年ジュノ・ヴェスタクリニック八田を開院。相談会やヘルスケアに関するセミナーで、各世代に合わせた正しい知識の啓蒙にも取り組む。

生涯で生理の回数が多いと問題がありますか?

最近ニュースなどで、私たちのおばあちゃんの世代に比べると今の20代・30代の女性は生涯を通じての生理の回数が多く、それによりさまざまな不調が起こる可能性があると聞き不安になりました。生理の回数が多いと、将来どんなことが私たちの体に起こる可能性がありますか?
「排卵して、子宮のベッドをふかふかにして、妊娠の準備をしたのに妊娠しなかった」結果が「生理」です。このサイクルが毎月繰り返されることで、痛み(月経痛)やイライラ、うつっぽい(PMS)などの月経トラブルが増えています。ただの月経痛から「子宮内膜症」を発症し、将来不妊症になる可能性もあります。また排卵回数の増加により、卵巣がんのリスクも高くなることがわかっています。月経トラブルは放置せず、婦人科を受診しましょう。子どもをもつ・もたないは自由ですが、自身のライフプランを考えておくことは大切です。
ごきそレディスクリニック 小川 麻子 先生 愛知医科大学卒業後、臨床研修医を経て医学博士号取得。3児の母。1994 年に開業し、「女性のための女性によるクリニック」をモットーに、自らの子育て経験も生かした親しみのある産婦人科診療で評判となる。女性の思春期・成熟期・更年期に応じた、低用量ピルでの月経調節や漢方薬の処方にも定評がある。

おりもので悩んでいます。

おりものが多い気がして、下着のにおいも気になります。生理不順とおりものの量に関係はあるのでしょうか?
排卵の頃になると、精子を迎えやすくするために頸管粘液というおりものが増えます。生理前後はナプキンで蒸れて増えることもあります。また、生理不順の人は低エストロゲン状態のためにバリア機能が働かず、その影響で増えることもあります。いずれにせよ自己判断せず、婦人科で相談しましょう。

試合があるので生理日を調整したいです。

大学でスポーツを頑張っているのですが、試合と生理日が重なると体調もすぐれず、タンポンを使っていても漏れが心配で競技に集中できません。ピルで生理の日を調整できるのですか?
ピルで生理日を早めたり遅らせたりすることができます。スポーツの種類にもよりますが、排卵までの期間がパフォーマンスが上がりやすいので、生理を遅らせるのはあまりおすすめしません。シーズン中に何回も試合がある人は、生理開始日からピルを飲むことで自分の都合の良いところに生理日をもっていけます。まずは早めに婦人科に行って相談しましょう。

内出一郎 先生(内出医院 院長) 医学博士。東邦大学大学院卒業。東邦大学医学部産科婦人科学講座にて研鑽。東邦大学医療センター大森病院産婦人科、森赤十字病院婦人科、東京腎泌尿器センター大和病院産婦人科部長を経て、平成25年、内出医院の2代目院長を継承。「子宮内膜症、腹腔鏡手術に関する論文、学会発表は多数。

ピルは成人を過ぎてから?

私は今19歳で、生理周期や痛みの強さも不安定です。ピルを利用したいのですが、母から「10代の頃はみんな不安定だからそのうち治る、心配ない」と言われます。このまま成人を過ぎても不安定であった場合はピルを飲んだほうがいいでしょうか?

生理周期を安定させたい、同時に避妊もしておきたい、ということでしたら圧倒的にピル使用のメリットがあります。不安定であってもすぐに健康障害をきたすことはありませんが、社会生活を営むうえでは、安定した生理周期があったほうがいいでしょう。たしかにピルを服用することで血栓症の問題が発生するリスクはありますが、それよりも卵巣機能の保護や、子宮内膜症になりにくいなどのメリットのほうが大きいと思います。長期服用することで子宮・卵巣機能に問題が起こることもありません。まずは何が原因で生理不順になるのか調べるためにも、受診したほうがいいと思います。

 

排卵の時に痛みがあります。

排卵の時に痛みがあったり、トイレが近くなったりするのは正常なことですか?
排卵痛はよくあることなのでそれほど心配しなくても大丈夫です。頻尿はあまり聞きませんが、そうなる可能性もあるでしょう。特に心配はしなくてもいいですが、念のため婦人科検診は受けましょう。

性に関するギモンや悩み募集中!

性に関する体の悩み、心の悩みって、親しい人にもなかなか相談しにくいものですよね。
生理前にイライラしたり、落ち込んだり、パートナーとのセックスについて悩んだり…。

本当は婦人科に行って先生に直接相談できればいいのですが、やっぱり緊張するし、結局最後まで言いだせなくてモヤモヤ…婦人科検診促進協会(マイジネコの活動)にも、そんな方から多くのお悩みが寄せられます。

もし、自分一人で悩みを抱えて、誰にも相談できずにいるなら、ぜひTwitterをフォローして、婦人科検診促進協会(マイジネコ)のQ&Aサービスを活用してみてください。

婦人科領域の専門家に、いただいたお悩みを相談して、そのお返事をお伝えします。
自分の求める回答がくるとは限りませんが、きっと今よりも不安は解消されると思います!

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