【Q&A】生理後から続く出血~内出先生

質問者さんの質問に内出先生がお答えくださりました。

内出一郎 先生(内出医院 院長) 医学博士。東邦大学大学院卒業。東邦大学医学部産科婦人科学講座にて研鑽。東邦大学医療センター大森病院産婦人科、森赤十字病院婦人科、東京腎泌尿器センター大和病院産婦人科部長を経て、平成25年、内出医院の2代目院長を継承。「子宮内膜症、腹腔鏡手術に関する論文、学会発表は多数。
みーさん(29歳)
約1年前から生理後から排卵日である14日目付近まで、茶褐色〜黄色のおりものが出ます。匂いとしては、近くで嗅いでみると血の匂いがします。
複数の婦人科に通ったのですが、いずれも「ホルモンバランスの崩れ」と言われました。
子宮頸がんの検査は昨年も2回行い、いずれも陰性。体癌の検査は「若いからまだしなくていい。エコーで経過を観察していけばいい」と言われてしまい、未実施のままです。
エコーは問題なし。卵管造影検査も問題なし。唯一、子宮鏡検査ではポリープなどがありましたが、「子宮腺筋症があるが、いま治療がすぐに必要ではない状態なので、出血には関係ないと思う」と言われました。
今後妊活をすすめる際、毎回茶色䛾おりものがまだ出ているなか、タイミングを取っていいのか不安があります。
また、個人的にこの出血が不正出血なのか、生理が長引いているのか気になっています。
原因を突き止める検査でどのようなものをおこなってもらうべきでしょうか?
おそらく、子宮体がん検査をしても異常検出されないパターンだと思います。
似た状況はよく経験しますが、ほとんどの場合理由が不明であり、「ホルモン的な何か」としかお答えできないことが多いのです。
私でしたら、トラネキサム酸(血管を丈夫にする薬)で止血を図ることが多いですが…根本的理由がわからないため、やれて対症療法しかないからです。
現在、トラネキサム酸もコロナやウクライナ情勢の影響で、やや供給不足気味ですので、処方が短期間になってしまう場合や、他の代替薬剤を使用することがあるかもしれません。
妊娠についてはとくに影響ないと考えますので、普通にしていてよいです。