日本産科婦人科学会が本格的に「女性のヘルスケアアドバイザー」を養成
日本産科婦人科学会では、長年、周産期医学、婦人科腫瘍学、生殖内分泌学の3本柱に取り組んできましたが、10年ほど前から女性のトータルヘルスケアの重要性が注目されるようになりました。日本女性の平均寿命が86.83歳まで延び、社会の状況やライスタイルが多様化していることをふまえた上で、産科婦人科に関わるさまざまな領域を有機的に結び付け、幅広く多様な視点から、若年期から老年期まで女性の生涯にわたる健康のケアをしていこうというものです。
児童期から老年期まで、世代に合わせた切れ目のないサポート体制を
女性のトータルヘルスケアを実践していくうえで大切なのは、あらゆる世代の女性を対象に、個々に必要なサポートを行うことです。
QOLやパフォーマンスを高めるためのOC/LEPの活用
女性は進学、就職、結婚、出産など、世代ごとにさまざまなライフイベントを抱えています。 大切な場面で最大限のパフォーマンスを発揮したい、仕事などの都合を考えて妊娠出産の時期を考慮したい。
かかりつけ医を見つけるために、がん検診で婦人科デビューを
女性にとって、今でも産科婦人科の敷居は決して低くはありません。若い方で診察への戸惑いから受診をためらうケースも多いようです。また、出産後は育児に忙しくて時間がない、更年期以降は今さら受診するのは恥ずかしいと、足が遠のいてしまう方が多いようです。そういった方々でも比較的受診しやすいのが、市町村が実施しているがん検診です。婦人科疾患は年代を問わず定期的な子宮がん検診を受けておくのが望ましいので、まずは検診に出かけて、クリニックの雰囲気や先生との相性を確かめてみてはいかがでしょう。万人向けのクリニックというものはなく、先生によって得意分野も異なります。先生の肩書や評判よりも、自分自身との相性、「この先生なら信頼できるか? 」といった感覚を基準に、末永くつきあえるかかりつけ医を見つけてほしいですね。
※QOL=quality of life(生活の質)の略称
※OC=低用量経口避妊薬
※LEP=低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬