健康管理★頑張りすぎずに健康管理 、女性の活躍とかかりつけ医

仕事に、主婦業に、そして育児にと何役もこなす女性は、日々の仕事のプレッシャーや家庭の忙しさをかかえていて、身体的にも精神的にもつらい状態が続きがちです。

そんな中でもしなやかに、快適に過ごす方法を、産婦人医師・海老根真由美先生にお聞きします。

精一杯真面目にやっているから 疲れていることに気づけない

職場でも家庭でもフレキシブルに働く女性は、一見、颯爽としてパワフルに見え日々充実しているようですが、じつは心も身体もかなり疲れきっている。

診察室ではそんな姿が垣間見えます。

彼女たちは、自分や周囲の期待にこたえるため、真面目に一生懸命、それも無意識に頑張っているからなのです。

今の働く女性の多くは、十分な休息をとれないまま必死に走り続けている状態です。

仕事の面白さややりがい、プレッシャーをかかえながら頑張り、つい身体のことを後回しにしがちです。

また、特に40代以降の女性は、幼少期に「良妻賢母」の教育を受けてきた世代なので、何事も一人で頑張ってしまいがちです。

体調が悪くてもつい無理して仕事をこなしてしまったり、不調を我慢しなくてはと育てられてきた世代だからです。

疲れの原因は何にせよ、ちょっとの不調が積み重なると、身体はいつしか悲鳴を上げてしまいます。

心にも余裕がなくなり、気づいた時には、先の見えない暗闇を歩いているようなつらい精神状態に陥ってしまいます。

自分を知って、心と身体の健康をコントロールするには

人は、精神と身体両方のバランスがうまくいかないと健康ではいられません。

だからこそ、自分で心身をコントロールする力を身につけるために、自分を知ることが大切です。

これからの女性に必要なのは、ヘルスチェックを含めて自分を知ること、そしてその結果を通じて心身の自己管理がきちんとできるかどうかということです。

体の声を聞いて、小さな不調を無視せず気づいてあげる。

不調を感じたら周囲に遠慮しすぎず、しっかり休息をとり、気分転換もする。

不調をおして頑張りすぎないことで、大きな不調を避けられます。また、決定的な病気になった時に病院に行くだけではなく、不調を感じたタイミングでかかりつけの医師に相談できる関係があるといいでしょう。

日々を充実させ、人生を楽しく過ごすためには、医師の力を借りて自分の状態を知り、自分で良い方向に向けていくアクションが必要です。

自治体のがん検診を受けるのも、今の自分の体を知る方法の一つでしょう。

今、女性は社会で働くのがごく普通の時代です。忙しく働きながら、プライベートでも重要なことを決断し、ベストな道を選択していくわけですが、常に大きなエネルギーが要り、決して楽な道ではありません。
だからこそ、日頃から自分のことをよく知って、専門家を含めて、自分の心身について第3者の意見を仰げる人間関係を築いておくことが大切です。

大切なのは、「医師を活用する」 という遠慮のない気持ち

 

そこで、活用して欲しいのが女性のためのクリニックです。

産婦人科は女性の生涯の健康にかかわる分野です。

健康にまつわる常識が目まぐるしく変化する時代、忙しく働く女性が健やかに過ごすには、かかりつけのクリニックを持ち、医師を上手に活用するのが秘訣でしょう。

そして「先生にすべてお任せ」という依存した気持ちではなく、自分の状況に応じて、必要なアドバイスを医師に求めてみては。

医師を活用しながら冷静に自分の生活を見直し、柔軟性をもって自分の人生を組みたててはどうでしょう。 これからは、女性が真にいきいきと活躍するためにかかりつけの女性クリニックをもって、自分の心身をコントロールするという時代なのかもしれません。

海老根真由美(白金高輪海老根ウィメンズクリニック)埼玉医科大学医学部卒。埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターで講師および病棟医長として、緊急性の高い母体救急を専門とし、助産師や臨床心理士と共に妊娠中から産後のメンタルケアに携わり、平成25年白金高輪海老根ウィメンズクリニック開業。自身の仕事、結婚、妊娠、出産、子育ての経験を生かし、一人ひとりの女性のライフスタイルに合った医療を提供。周産期カウンセリングや産前・産後の母親学級・両親学級にも力を入れる。管理栄養士を4名抱え、充実した栄養指導も実施。現在、順天堂大学付属順天堂医院産婦人科教室の非常勤講師として産後メンタルケアの専門外来も行っている。