「こんなにつらい症状は私だけ?」。「こんなことが起きているけど大丈夫?」。気になるけれど、なかなか人には聞けない、生理にまつわる数々の悩み。大学生が日々感じている疑問や不安について、婦人科分野の第一線で活躍されている4名の先生に、それぞれアドバイスをいただきました!
ピルを4年飲んでいるのに生理痛がきついです
お薬が合っていない可能性があります。お薬にはいくつか種類があります。最初に処方されたお薬を3カ月飲んでも改善しなければ、ほかのお薬を選択することもできます。また、子宮内膜症などほかの原因も考えられます。まずは婦人科で痛みのことを伝え、原因を調べてもらいましょう。(池田先生)
今まで出血量が多かったのに、最近少なくなってしまって心配です
理由は2つ考えられます。一つは「出血のもと」になる子宮の内膜が厚くならないこと。もう一つは、内膜は厚くなるのに出血しないことです。内膜が溜まり続けると「子宮体がん」のリスクにも。どちらの場合も血液検査や超音波検査で状態がわかり、ホルモン治療で改善する可能性があります。(清水先生)
生理が3日ほどで終わるときがあります。短か過ぎませんか?
卵巣がたまたまその月の排卵をお休みした可能性が高いですね。排卵しないと女性ホルモンが分泌されず、月経量が少なくなります(ピルを服用している場合も同じことが起きます)。この状態が一時的であれば様子をみますが、繰り返す場合は婦人科を受診してください。また、妊娠を示す「着床出血」の可能性もあります。1カ月以内に思い当たるようなら、妊娠検査薬で確認しましょう。(小川先生)
生理の血が黒いのは異常ですか?
血液に含まれる鉄が酸素に触れる「酸化時間」が長くなると、茶や黒色に変色します。月経前半は血液が勢いよく出て、酸化時間は短く赤色のままです。血液量が減る月経後半は、ある程度、子宮に溜まって出血するので、酸化時間が長くなります。この時、茶や黒色になっても心配ありません。ただし、生理以外の日に茶や黒色のおりものが出た時は異常のサイン。婦人科の受診が必要です。(清水先生)
生理が終わった後に生理痛が来ます
生理痛は生理期間中に起こる痛みのことです。生理が終わっても痛い、また生理期間以外の痛み(排卵痛、性交痛、排便痛など)が3カ月以上続けて起こる場合は、「器質性月経困難症」である「子宮内膜症」が存在している可能性があります。早めに婦人科を受診しましょう。(八田先生)
生理痛のお薬で副作用が出ても、我慢して飲んだ方がいい?
副作用が出る、お薬が効かない、などの場合は、そのまま飲み続けたり我慢したりせず、婦人科で原因を調べてもらいましょう。そのうえで、ピルの活用をおすすめします。ピルとの相性をみるための目安期間は3カ月間。この期間に痛みや副作用がなければ服用を続けます。さらに当院では年1回の定期検査で、その後のお薬との相性をチェックしています。(池田先生)
生理の時、織物が多いのは異常ですか?
生理の経血とおりものとの区別はつきにくいのですが、ナプキンでムレて汗の成分が混ざり、多く感じているのかもしれません。ナプキンはマメに取り替える、タンポンや月経カップを試してみるのも手です。また、ポリープや子宮筋腫などの病気がないか、婦人科でチェックしてもらいましょう。(八田先生)
生活リズムが悪いと、生理痛やPMSも悪化する?
特に大切なのが睡眠です! なるべく同じ時間に起きて、カーテン越しでもいいので、日光を浴びましょう。脳から「メラトニン」というホルモンが出て、1日の体のリズムを整えてくれます。すると卵巣の動きも良くなるので、生理痛やPMS の改善が期待できますよ。(小川先生)