妊娠初期のMRI室立ち入りについて

医療従事者であっても、ご自身のカラダが心配になることもあります。今回は、タムタムさんからの質問、MRIに関するお仕事は妊婦さんに影響を及ぼすのでしょうか?庄司産婦人科 谷内 麻子先生にお答えいただきます。

 

庄司産婦人科 谷内 麻子先生 聖マリアンナ医科大学医学部卒、日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会認定医専門は生殖内分泌、周産期、更年期、女性のヘルスケア。ご両親、お兄様、旦那様と共に庄司産婦人科にて勤務。

 

タムタムさん(37歳)いつもお世話になっております。 私は医療従事者で仕事中にMRI室への出入りがよくあります。 患者さんの入れ替え、コイルのセッティング作業などです。 MRIは当院では安定期まで、調べると基本的には13週までは検査を行わないとされているようです が、検査前後の補助をするだけでも影響はあるのでしょうか。 職場への妊娠の報告はある程度落ち着いてからが良いと思っていたのですが、影響があるとなる と初期の段階から報告すべきなのか迷っています。 よろしくお願いいたします。
MRIの検査そのものは、放射線と違って、妊娠に与える影響は無いものと考えられています。しかしながら、全妊娠の10%くらいに自然に起きる流産が認められるので、○○をしたから流産したのではないか、という憶測が生じることを避けるために、最も流産することが多い妊娠初期(特に妊娠12週くらいまで)は避ける、という条件付けがなされることがあります。ご質問者さんの病院でのMRI検査も同様かと思われます。
したがって、MRI室で作業を行うことは何ら問題ないと考えられます。

職場への告知はいつ行うべきもの、と決まった時期はありません。これもまた流産する可能性がゼロではないために安定期に入るまで職場には伝えたくないという方がいらっしゃるためかと思います。産婦人科医の立場から言わせていただくと、逆に、流産の可能性もあるからこそ早めに職場に知らせておいた方が不測の事態に備えることができるのではないかと思います。