生理の不調は人と比較するのが難しく、症状のあらわれ方や感じ方も人それぞれ。
まずは「異常な生理」の目安を参考に、自分の生理をチェックしてみましょう。
若い女性に多い生理不順や生理痛は、早めの受診とお薬で治療できることもあります。
自分の生理は異常?チェックしてみよう
異常な生理とは、「生理周期」「生理期間」「月経量」「生理にともなう症状」「初経の時期」などが、正常な生理の目安に当てはまらない状態をいいます。次の表のなかに当てはまるものがないかチェックし、不安があればクリニックを受診しましょう。
■ 生理周期が短い。月に何回も生理がくる。
■ 生理周期が長い。
■ 経血の量が多い。
■ 経血の量が極端に少ない。
■ 生理痛などで日常生活に支障が出る。
■ 15歳になっても初経がこない、初経後生理がこない。
若いと生理が不安定になりがち。気軽に婦人科に相談を!
若い女性に多い生理の悩みが「生理不順」と「生理痛」です。特に10〜20代は受験や進学、就職など、生活環境の変化にともなうストレスや、激しい部活動、無理なダイエットが原因で女性ホルモンのバランスが乱れ、生理に影響が出やすくなります。
最近は、子宮頸がんワクチンの接種と一緒に、婦人科に相談にこられる10代の人も増えています。「内診はちょっと…」という人は問診だけでも可能です。生理に少しでも不安があれば、気軽に相談してください。
初めて受診する時は、直近3カ月の生理開始日をメモしたノートやアプリがあれば、相談する時に役立ちます。保険がきく治療がほとんどなので、保険証も忘れないようにしましょう。
毎日の生活習慣やダイエットも生理に影響
生理の不調は、毎日の生活習慣も大きくかかわっています。バランスの取れた食事や適度な運動、睡眠など、規則正しい生活を心がけてください。冷たいものを控えるなど、体を冷やさないことも大切です。
また、無理なダイエットは生理不順をはじめ、不妊症、骨粗しょう症など、将来の健康にも影響します。適正体重(BMI)を参考に、長いライフステージを見据えた健やかな体を目指し、いまから自分の生理をととのえておきましょう。
生理不順
正常な生理は、生理周期が25〜38日、生理期間が3〜7日とされています。生理周期が前後6日以内のズレであれば心配ありませんが、これを超えると生理不順とよばれます。多くは女性ホルモンのバランスの乱れが原因で起こります。
病気の可能性や将来のリスクは?
甲状腺機能や母乳をつくるホルモン(プロラクチン)の異常が隠れていることも。また、卵巣が腫れて排卵が起こりにくくなっている場合は、放置すると不妊症になる可能性もあります。
クリニック受診の目安は?
生理が90日以上こない場合は治療が必要です。受診しましょう。
どんな検査・治療をするの?
問診、血液検査、超音波検査があります。多くはホルモン剤や漢方、ピルなどで治療します。甲状腺機能やプロラクチンの異常がある場合は専門治療が必要。卵巣に腫れがある場合は、大きさによっては手術が必要となることがあります。
生理痛
腹痛、頭痛、吐き気、体がだるいなどの個人差があり、もっとも多いのは下腹部痛です。子宮が収縮し出血する時に分泌される「プロスタグランジン」が痛みの原因とされています。
病気の可能性や将来のリスクは?
日常生活がつらくなるほどの重い痛みの場合は「子宮内膜症」の可能性も。放置すると不妊症の原因になる卵巣チョコレート囊胞や卵巣がんのリスクもあります。
クリニック受診の目安は?
市販の鎮痛剤が効きにくい時は相談してください。
どんな検査・治療をするの?
問診、血液検査、超音波検査があります。まずはプロスタグランジンを抑える鎮痛剤を服用。痛みの前兆を感じたら、すぐに飲むのがポイントです。効果がない時は、子宮の収縮を抑えるお薬や漢方薬などを併用します。初期の子宮内膜症にはピルも有効。どの症状も相談のうえ薬を決定します。