誰もが自分の体について 自分で決める権利をもっている

スウェーデン留学中に現地の性教育や性差のない環境に触れ、日本との違いに驚いたというはなさん。留学先で感じたことや、その学びを生かした現在の「ひだまり」の活動について、マイジネコメンバーの大学生・ひなこがインタビューしました!

留学がきっかけで「知ること」の大切さに気づくことができた!

●ひなこ はなさんがジェンダー問題や性教育に関心をもち始めた理由やきっかけを教えてください。

【はなさん】 ジェンダー問題について考え始めたのは、特に大きなきっかけがあったわけではないんですが…、ただ高校生の頃から社会におけるジェンダー不平等などについて感じてはいました。どうして同じ仕事をしているのに、女性のほうが賃金が低いんだろう?とか、リーダーを決める時は男子になることが多いなぁという、なんとなくの違和感はありました。

性教育に関しては、スウェーデンに留学したことが大きかったです。現地で訪れたユースクリニック(P52‐53参照)の職員の方に話を聞くと、小学校や中学校で自分の体や性行為、性感染症などについての性教育を受けているのだそうです。これまで私自身、知らないほうがいいと思っていた性のことについて、みんなが当たり前のように習って知識をもっているということに衝撃を受けました。「知らないままというのは怖い」、ということに気づいたのがきっかけですね。

●ひなこ 留学時に日本との違いで驚いたことがあればもっと聞かせてください。

【はなさん】 友人5、6人で食事に出かけた時、家に帰って初めて「今日は女子が自分一人だったなぁ」と思ったんです。日本だったら、そのことが一日中気になっていたかもしれません。「男だから〜、女だから〜」といった性別を気にすることなく、とても自然でした。

また、当初驚いたのが、大学のトイレが男女別になっていなかったこと! トイレは個室がずらりと並んでいて、空いたところに男女関係なく入っていくんです。日本にはない光景ですよね。

同意のない性行為に「NO」と言える正しい知識をもってほしい

●ひなこ 大学でのこれまでの活動内容を教えてください。

【はなさん】10カ月の留学後、慶應義塾大学の学園祭で、体のしくみや性感染症、女性の権利、性暴力など、広く性教育に関する展示を行いました。その時、コンドーム(岡原正幸研究会とオカモト株式会社の共同製作)を無料配布したこともあって、興味本位で来場してくれる方も多く、4日間で700人超の来場がありました。「見て良かった」とたくさんの方に言ってもらえて、自分の発信が誰かの役に立つんだと思えた大きな経験になりました。

ほかにも、性暴力について正しい知識や防ぐ手立てを学生が知る機会を設けたり、「大学側でも防止策を実施してほしい」と大学側にかけ合う場に参加したりもしました。結果、学生団体の活動における留意事項として、性加害に関する項目が追加されることにつながりました。

●ひなこ 現在はどのような活動をされていますか?

【はなさん】 慶應義塾大学卒業後に編入したお茶の水女子大学では、「ひだまり」という、広い意味で性教育を中心に学び発信する団体を立ち上げました。

「ひだまり」ではメンバーで性について学び、SNSで発信しています。クイズ形式でツイートしたり、オンラインでメンバー以外が共有する場も設けたりしています。私は大学を卒業しますが、これまでの活動や思いを紡いで継続できるようにこれからも頑張っていきたいと思います。

●ひなこ 最後に同年代の読者にメッセージをお願いします!

【はなさん】 自分の体に関することは自分で選ぶ権利があると思います。また性暴力に対しては「NO」と言い、それを他人が覆す権利はないと思います。性に限らず、人権という広い意味でも「知らないこと」で権利を行使できないというのは悲しいですよね。まずは何についても「知る」ことを大切にしてほしいと思います。調べたり、情報を共有したり、自分が無理なくできることから始めていけるといいですね!

●ひなこ 今日は貴重なお話をありがとうございました!