【Q&A】生理後から続く出血~大谷先生

生理後のおりものの変調は気になりますよね?

大谷先生に、聞いてみました。

大谷 香 先生(かおりレディースクリニック院長)

福島県立医科大学卒業。1995年より米国エール大学産婦人科教室へ留学。婦人科がんの研究に従事。日本大学付属板橋病院、練馬光が丘病院に勤務後、2002年9月 東京・学芸大学にかおりレディースクリニックを開院。日本産科婦人科学会専門医。医学博士。

みーさん(29歳)
約1年前から生理後から排卵日である14日目付近まで、茶褐色〜黄色のおりものが出ます。
匂いとしては、近くで嗅いでみると血の匂いがします。
複数の婦人科に通ったのですが、いずれも「ホルモンバランスの崩れ」と言われました。
子宮頸がんの検査は昨年も2回行い、いずれも陰性。体癌の検査は「若いからまだしなくていい。
エコーで経過を観察していけばいい」と言われてしまい、未実施のままです。
エコーは問題なし。卵管造影検査も問題なし。唯一、子宮鏡検査ではポリープなどがありました
が、「子宮腺筋症があるが、いま治療がすぐに必要ではない状態なので、出血には関係ないと思
う」と言われました。
今後妊活をすすめる際、毎回茶色のおりものがまだ出ているなか、タイミングを取っていいのか不
安があります。
また、個人的にこの出血が不正出血なのか、生理が長引いているのか気になっています。
原因を突き止める検査でどのようなものをおこなってもらうべきでしょうか?
不正子宮出血の原因は、無排卵性周期によることが多いのですが、子宮がんを含め、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮腺筋症など子宮の病気によることもあります。しかし、原因は必ず特定できます。通常は、子宮頸がん検査(必要により若年者でも子宮体癌検査)、超音波検査を行い、子宮の病気がないかどうかを確認し、同時に基礎体温測定による排卵機能のモニタリングを始め、その後必要に応じてホルモン検査等施行し、不正子宮出血の原因を診断し、加療を行っていきます。

質問者の方も、無排卵性周期の可能性が高いと思いますが、子宮内膜ポリープと子宮腺筋症を指摘されていることから、これらも原因である可能性はあります。まず、基礎体温測定を開始し、排卵周期があるかどうかを確認することを勧めます。基礎体温測定は、今後妊活にも役立ちます。基礎体温が低温、高温の2相性であれば、一般的には排卵があり、不正子宮出血の原因は子宮内膜ポリープや子宮腺筋症である可能性が高いと判断しますし、低温1相性なら排卵がなく、不正子宮出血の原因は無排卵性周期による可能性が高いと判断します。時に、これら子宮の病気と無排卵性周期が両方原因であることもあります。原因を適正に診断した後は、あなたがいつ頃妊娠を希望するかにより、最善の加療を組み立てていきます。いずれにせよ、基礎体温測定を始め、理論的・科学的に不正子宮出血の原因を診断できるクリニックで再度相談なされてください。