そもそもホルモンとは?
ホルモンとは体内で作られ、血液で運ばれて様々な臓器や体の部位に働きかける物質です。ホルモンは約70種類あると言われており、体内を一定に保つために、それぞれのホルモンが働いています。
例えば、すい臓から体内に分泌されるのがインシュリン。このインシュリンは血糖値を下げる唯一のホルモンなので、糖尿病の症状の改善には欠かせないホルモンとして知られていますよね。それと寝ている間に分泌される成長ホルモンも有名です。
多くのホルモンに共通しているのは、制御しているのが視床下部だということです。
女性ホルモンも視床下部でコントロールされている
●卵胞ホルモン(エストロゲン)……妊娠の準備をするための役割のほか、自律神経のバランスを保つ、血管を広げて動脈硬化を防ぐ、コラーゲンの合成を促成して皮膚の潤いを保つなど、女性として生きていく上で重要な役割を果たしている。
●黄体ホルモン(プロゲステロン)……妊娠継続をサポートする。ただし、生理周期の中で黄体ホルモンの分泌が増えると下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気などPMS(月経前症候群)の不快症状が出る人も。
この2つの女性ホルモンも、ほかのホルモン同様、視床下部が下垂体を経由し卵巣に司令を出すことで分泌されていることになります。
ホルモンの働きが悪くなるのはホルモンのせいではない!
では、どうすれば崩してしまった女性ホルモンのバランスを整えることができるのか? 視床下部へのストレスをできる限り減らしてみましょう。
そのためには、やはり食生活の改善、適度な運動で生活のリズムを整えることが基本中の基本です。
林先生より まとめ
乱れた食生活、まったく運動しないといったライフスタイルが、視床下部にストレスを与え、卵巣から女性ホルモンをうまく分泌できなくしています。だから、体調不良の原因をすべてホルモンのせいにしては、あまりにホルモンがかわいそうです。ホルモンは悪くないのです。
ですから、体調が悪いときは、摂取している食べ物に偏りはないか、運動はどの程度しているか、仕事などでストレスをためていないかなど、原因がどこにあるのかをチェックし、その改善から始めてみましょう。