第5回 基礎体温表は貴重な情報源

基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギー消費量(基礎代謝といいます)によって発生する熱のことです。毎朝、起床時に舌の下に婦人体温計を入れて基礎体温を測り、これをグラフにしたものを基礎体温表といいます。

低温期と高温期

●排卵がある場合
月経がある健康な女性の基礎体温は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの働きによって、排卵を境に低温期と高温期に分かれます。

月経から排卵までの卵胞期が低温期で、排卵を境に体温は0.3~0.5℃上昇して、黄体期に高温期となります。その後、体温は低下して再び月経が来ます。よって、排卵がある女性の基礎体温は明瞭な2層性となります。


●無排卵の場合
一方、無排卵の女性の基礎体温は、1層性か、もしくはガタガタと全く規則性がなくなります。低温期が異常に長い、高温期がないまま月経が来る、高温期が短い、などという場合には卵巣機能不全が疑われます。

特に、黄体からのプロゲステロン分泌が不十分なために、高温期が10日未満の場合を黄体機能不全といいます。黄体機能不全は月経不順や不妊の原因としてしばしば問題となります。

基礎体温表は体調管理の味方

このように、基礎体温表にはホルモン分泌に関するたくさんの情報が詰まっています。このため、毎朝、基礎体温をつけることは、最も手軽、かつ安価に自分の体調やホルモンバランスを知る手がかりとなるのです。

日頃の体調不良が実は月経前に限っていたり、排卵の時期に常に下腹部痛があるなど、基礎体温を記録することによって不調の原因や対処法がわかることも多いのです。

月経が乱れてから慌てて基礎体温を測り始めるより、自分の体調やからだのリズムを知るためにも、思春期から基礎体温表をつけることをお勧めします。

宮沢あゆみ(医師・ジャーナリスト)東京都出身。早稲田大学第一文学部卒TBSに入社し、報道局政治経済部初の女性記者として首相官邸、野党、国会、各省庁を担当。外信部へ移り国際情勢担当。バルセロナオリンピック特派員。この間、報道情報番組のディレクター、プロデューサーを兼務。その後、東海大医学部に学士編入学。New York Medical College、Mount Sinai Medical Center、Beth Israel Medical Center へ留学。三井記念病院、都立墨東病院勤務などを経て、「あゆみクリニック」を開業。講道館柔道2段。