【Q&A】ピル診察の頻度が高くなるのはなぜですか?~内出先生

月経困難症での悩みを抱えている方で、ピルの処方を受けている人も多いはず。

簡単な診察のように見えて、先生は何を診ているのでしょう?

内出先生にお聞きしました。

内出一郎 先生(内出医院 院長) 医学博士。東邦大学大学院卒業。東邦大学医学部産科婦人科学講座にて研鑽。東邦大学医療センター大森病院産婦人科、森赤十字病院婦人科、東京腎泌尿器センター大和病院産婦人科部長を経て、平成25年、内出医院の2代目院長を継承。「頑張らない治療」をすすめ、「押しつけの治療をしない」という治療方針で多くの患者さんの診療にあたっている。腹腔鏡手術の黎明期から手術技術の確立をめざし、研究を積んできたキャリアがあり、手術に関しては適格なアドバイスをしてくれる。子宮内膜症、腹腔鏡手術に関する論文、学会発表は多数。平成16年、カナダ・モントリオールにて開催された第18回世界不妊学会でBest Poster Award受賞。日本産科婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会評議員、日本内視鏡外科学会評議員、等所属。
おひねるさん(22歳)月経困難症の治療のため、ジェミーナ配合錠を服薬しています(77日間連続で服用し、 7日間休薬)。  今までは3シートまとめて処方されていたのですが、9月に薬をもらいに行った時は「保 険適用だから2ヶ月に1回診察が必要になった」と言われ、2シートしか貰えなくなりまし た。  いつも診察といっても「調子悪いとかはない?」「ないです」と1分くらいで終わっていたので、診察増やして意味があるように思えません。お金儲けのため?と主治医に不信 感を抱いています。  添付文書で6ヶ月ごとに検診が必要なことや、一年に一回子宮頸は細胞診をすること は確認しているのですが、それだったら6シート一気にくれれば良いのにと思ってしまい ます。  一回の処方は枚数が制限されるのでしょうか。また、保険適用という理由で処方頻度 が変わることはあるのでしょうか。
当局からの指導により、保険診療での調剤は、原則月に一回までにする様に通達されているからだと思います。
おそらく、3ヶ月処方に関して、保険診療に関して、なんらかの指導がされ、妥協点として2ヶ月となったのではないかと推測しますが…推測の域は出ません。
多くの施設で3ヶ月処方を行なっていますが、何年か前からそのように指導されております。大病院などでは、再診患者数を減らすために、長期処方もしている例があるようですが、私は、よほど事情がない限りは28日処方にさせていただいております。
また、長期処方でも90日以上の処方は、よほどの事がない限り、許可されません。
投薬は、疾病治療にて行っているわけですから、どんなに短時間とはいえ、対面にて様子を聞くのは当然です。診察が短いという事でご不満だとは思いますが…我々は、その短い時間でも色々な情報を得ています。診察室に入る様子、歩き方、顔色…などなど、割とそれだけでも情報は得ています。
お金儲け、とおっしゃいますが、我々は専門家であり、専門家が知識を活かして仕事をしているわけですから、対価が発生するのは当然だと思います。ファストフードで安くて満足することと、高級フレンチで満足することとは意味が違いますし、なぜ、高級フレンチが高いかは、おわかり頂けることと思います。
保険外調剤でしたら、原則制限はありませんが…ピルなどのホルモン製剤については、3ヶ月程度までご望ましい、とも言われています。
ご納得頂けないとは思いますが、適正な保険診療についてご理解、ご協力頂けると幸甚です。