【Q&A】ピル診察の頻度が高くなるのはなぜですか?~船津先生

月経困難症での悩みを抱えている方で、ピルの処方を受けている人も多いはず。

簡単な診察のように見えて、先生は何を診ているのでしょう?

船津先生にお聞きしました

船津 雅幸 先生(船津クリニック 院長)昭和大学医学部卒業後、昭和大学病院、亀田総合病院、共立蒲原総合病院など7つの地域の中核病院と2つの医院勤務を経て平成18年12月にクリニック開業。患者さんが言いづらいこと、本当に悩んでいることを理解できる存在になるべく、患者さんとの丁寧な対話を心がけ、いい意味で『おせっかいな町医者』を目指している。
おひねるさん(22歳)月経困難症の治療のため、ジェミーナ配合錠を服薬しています(77日間連続で服用し、 7日間休薬)。  今までは3シートまとめて処方されていたのですが、9月に薬をもらいに行った時は「保 険適用だから2ヶ月に1回診察が必要になった」と言われ、2シートしか貰えなくなりまし た。  いつも診察といっても「調子悪いとかはない?」「ないです」と1分くらいで終わっていたので、診察増やして意味があるように思えません。お金儲けのため?と主治医に不信 感を抱いています。  添付文書で6ヶ月ごとに検診が必要なことや、一年に一回子宮頸は細胞診をすること は確認しているのですが、それだったら6シート一気にくれれば良いのにと思ってしまい ます。  一回の処方は枚数が制限されるのでしょうか。また、保険適用という理由で処方頻度 が変わることはあるのでしょうか。

ジェミーナは保険診療薬ですので、保険診療ルールに即した診療が義務づけられています。

一度に処方できるシート数も都道府県によってことなります。2シートまでは可能ですが、3シート処方が認められる県と査定される県があると思います。

また調子が良く、同じ会話二言で終わる診察もあるかも知れませんが、不正出血があったり、飲み忘れに起因したトラブルがあるかも知れません。処方した当初は効果的だった処方が徐々に効きが悪くなっていることも度々経験します。

もし不信感を抱かれたとすれば、最初の説明が不十分であったかコミュニケーション不足があるのかも知れません。

いずれにしても疑問があるようなら遠慮することなく主治医にお訊ねください。それでも十分な説明がなかったり、お話しが納得できないようであれば、どのような高名な医師であっても医学的な名医であっても、あなたにとって最適な医師ではないかも知れませんので病院を変えることをお勧めします。信頼関係を確立できない医師と患者さんの場合は双方にとって良いことは一つもありません。

また服薬していれば良いという訳ではなく患者さんの健康を守り快適な生活を送れる様にすることが目標ですので、

医師それぞれの診療方針を決めている場合もありますのでよくご相談ください。

ピルの服用により特にボーォっとすることはないとは思いますが、もしかするとたまたまあなたに合わない製剤だったかも知れません。現在服用されているジェミーナ以外にも月経困難症の薬(LEP製剤)は他にもありますし、避妊目的のピル(OC)もあります。OCは自費診療薬ですので自由な飲み方や長期処方も可能です。

どの薬剤を選択するかは、あなたの症状とニーズによって違うと思いますのでよく主治医にご相談ください。

特に症状が休薬期間に強いようなら服用法の変更や漢方薬の併用も有効なことがあります。